YASIMA's New Project with Mae Engelgeer

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YASIMAはオランダ出身のテキスタイルデザイナー Mae Engelgeer メイ・エンゲルギールを迎え、新たなコレクションを発表しました。YASIMAのテキスタイルを制作する中で、印象的なエピソードを、メイ・エンゲルギール氏にインタビューしました。

––まずは、メイ・エンゲルギール氏のこれまでの経歴を教えて下さい。

メイ・エンゲルギール氏(以下メイ氏):アムステルダム出身のテキスタイルデザイナーです。AMFI, Amsterdam Fashion Instituutでファッションデザインを学びました。ファッションを学んでいくうちに、自分自身が、素材に対する強いこだわりを感じることに気づき、その後テキスタイルデザインについて学びを深め、Sandberg Instituut Amsterdamで修士号を取得しました。

卒業後はオランダで最初の織物プロジェクトを始めて、そこから小さなコレクションを作り、ミラノのサローナ・デ・モビールで、デザイナーを卒業したばかりの友人たちと一緒にコレクションを紹介しました。その後、オーストラリアなど、各所から問い合わせがあり、アート作品の制作やプロダクトのデザインを行いました。

最近では、オランダのアムステルダム空港、コンサートホールにもアートワークを提供しました。

–– 得意な素材、また、テキスタイルデザインをするうえで、大事にしていることを教えて下さい。

メイ氏:特にウールやシルクなどのテキスタイルデザインを得意としています。デザインする上で、大切にしている要素は4つあります。1つ目は素材。モヘヤやシルクなど、どんな糸を使うか。2つ目はグラフィック・ドローイング。3つ目は織物・ニット・プリントなどの技術。そして4つ目は色彩・着彩です。
素材、グラフィック、技術、色彩の4つの要素を重視し、これらを組み合わせて新しい作品を創造、手触りの感覚を働かせて、ものづくりをします。

そして、ものづくりにおいて、自分のアイデアや意見を自由に表現できることは大切なポイントだと思います。

–– 小さい頃からテキスタイルデザインに興味があったのでしょうか?

メイ氏:小さい頃から何かを触ることが好きでした。あれはパリのディズニーランドの近くの駅だったと思います。赤いボタンが気になり、押したら非常ボタンで母に怒られました。私の息子も同じで、私が見ていないといろいろなボタンを押してしまいます。

そのような幼少期の経験もあり、触るということが五感の中でも自分の中で本当に大切な要素だと感じています。この素材はどんな組み合わせでできているのだろう?と、日常生活の中で探求しています。

–– "触れること"は"見ること・聞くこと"以上に、体や心に良い影響があるように感じます。

メイ氏:テキスタイルを使えば、例えば洋服はもちろんのこと、フローリングや壁、椅子といった身の回りのものを自分の好きなスタイルで囲むことができます。だから私はテキスタイルが大好きです。テキスタイルで自分のみたい世界を再現できることに非常に魅力を感じています。

––今回のYASIMAとの取り組みについて、引き受けたきっかけを教えて下さい。

メイ氏:今回、八木社長と直接話ができるのがとても良かったと思います。様々なサンプルを見て非常に興味が湧きました。オフィスにあった、100年以上前のネクタイのアーカイブはまるでキャンディストアみたいでした。歴史のあるアーカイブからパターンを選び、想像する。

<YASIMAのオフィスにて。アーカイブを見ながらイメージをふくらませるメイ氏>

ブランドのアイデンティティを念頭に置きながら、新しい視点を与える。私自身、ネクタイのテキスタイルも好きだったので、ネクタイのアーカイブを見たときは高揚しました。そして、私の意見・アイデアを受け入れて貰えたの非常に良かったと思います。

<Mae’s memo of ideas / メイ氏のアイデアメモ>

–– 取り組みの中でポジティブに感じたことはありますか?

メイ氏:時間を掛けて共同作業をおこなうことは非常に重要だと思っています。その時間の中で一緒に仕事をする人たちとコミュニケーションを重ね、お互いを理解し合あうことで家族のような気持ちになります。そして、それがとても大切なことだと感じています。

今回、ブランドの意向として、モダンかつ新しい表現にチャレンジしたいと聞きました。それは、シルクと漆を組み合わせた新しいプロダクトであるとも知りました。私にとっても挑戦的なプロジェクトだったので非常に良かったと思います。

–– 出来上がったコレクションを見て、YASIMAらしさを感じられる素晴らしいものでした。

メイ氏:ネクタイを織る技術は、他の織りの技術に比べて遥かに繊細なデザインを作れます。細かいパターンを繰り返し、アーカイブをみて、古いものをどのように新しいプロダクトとして表現するか考えました。出来上がったコレクションをみて、ブランドイメージにあった作品だと感じています。

–– 一緒に取り組んでみて、印象的だったことを教えて下さい。

メイ氏:スムーズに制作できたことが印象的です。デザインを起こしても、全く違うパターンができることもありますが、最初からイメージした通りのものがあがってきました。また、少しイメージと違っていても、否定するのではなく、こんな色もいいよね、とアジャストしてオープンマインドで柔軟に考えることができました。
最終的に、納得ができる9パターンを仕上げられたことは本当に良かったです。

また、機織りの工場を見学できたのもいいポイントでした。自分がデザインしたものが実際に織られている様子を見れたことはとても良かったです。


–– ワークフローの中で意識したことはありますか?

メイ氏:最終的に、テキスタイルを並べたときの、全体のバランスが非常に重要だと考えています。小さいものから大きなものまで、どのようなプロダクトになっても、いいものになるようにデザインをしました。その中で、一番のチャレンジはやはりシルクと漆。ここはシルクのテキスタイルで表現、そしてここは漆が乗る、頭な中でイメージしながら、そのバランス感覚に凄くこだわりました。

<漆が乗ることをイメージしながら、糸の色を確認していく>

--日本に移住して、活動をされているメイ氏。今後チャレンジしたいことを教えて下さい。

メイ氏:日本には素晴らしい素材や技術が隠れています。オープンマインドで、様々な職人さんのアトリエにいき、歴史と文化を大切に、自分がこれまで取り組んできたことを混ぜ込みながら、新しいものづくりとして発展させられたら良いなと思います。そして、それを、世界に発信していけたらと思っています。

PROFILE:
MAE ENGELGEER

オランダ人デザイナーのメイ・エンゲルギール(Mae Engelgeer)にとって、テキスタイルデザインは高校時代から、アムステルダム・ファッション・インスティテュート、サンドバーグ・インスティテュートでの学びに至るまで、常に創作の中心にありました。2013年に自身のスタジオを設立して以降も、その技法への好奇心を深め続けています。既存のテキスタイル生産の枠組みの中で実験を重ね、古くからの技法を現代の舞台へと昇華させてきました。

彼女の作品の特徴は、繊細な色彩、パターン、そして線的な要素です。複雑な構成が完璧に溶け合い、ひとつの調和を生み出しています。異なる素材や質感を対比させる創造的な探求から、触感と立体感の豊かな、ラグジュアリーな作品が生まれています。

自身のコレクションを手がけるほか、世界各国のブランドとも協働しています。その領域は、テキスタイル製品や家具のデザインから、素材の探求、アートディレクション、さらには大規模なインスタレーションやパブリックアートにまで及びます。

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